第8章 末っ子の秘密
「しばらくの間ここに居てくれ。流石に三大将を含む海軍戦となるとただでは済まなくなるからな」
そういうとイゾウさんは鍵をかけて部屋から離れて行ってしましました。
「ま、待ってください!イゾウさん!」
何かをしていないと不安になってしまって、目の前の扉をバンバン叩く。
どうしてもいやな予感がしてしまう。
こういう時の予感は嫌でもあたってしまうことの方が多い。
その不安を吹き飛ばすかのように私は手が真っ赤になっても扉をたたくのを止めませんでした。
しばらくしてどことなく船内が静かになっているような気がしました。
今度は大人しく扉にそっと耳をくっつけてみるとかすかに戦っている音はしていますがそれもだんだん弱まっていくように感じました。
何かがおかしい。私の中で直感的にそう感じました。
「どうしましょう…」
このままここに居続けても結果は何も変わりません。
私は部屋の天井についてい通気口に目を向けました。
子猫のサイズなら入れるはずです!
部屋の中で台になりそうなものを探し出して、まずは蓋を開け中をチェック。
大丈夫だとは思いますが、一応他の生き物さんがいないことを確認してから子猫の姿になり通気口の中を移動し始めました。
勿論、そんなところを移動するなんて考えたこともなったのでこの通気口がどこに出るのかなんて全く知りません。
しばらく移動すると、食堂の真上まで来ました。
ここにも通気口があったので外れるか試してみたところ案外簡単に外れてくれました。
これなら出られそうです!
猫の特権ともいえる着地をぎこちないながらも成功させ何とかさっきの部屋から出ることに成功しました。
よし、このままとりあえず見つからない程度に外に向かってみましょう。
慎重に進んでいき、あと少しで甲板の様子が分かるという所で第三者の声が聞こえてきました。
「困るんだよ。勝手に行動されちゃ…」
その言葉を聞いたのが最後に私の意識は沈んでいきました。