第6章 赤い人
「アリス、赤髪の服の中なんて汚いんだから、さっさと出てこいよい」
そういって何とか引き離そうとしてもアリスは嫌々とただ首を振るだけ。それを見てシャンクスはデレデレしていた。
当然この光景を見ていて面白くもない白ひげ海賊団。
目の前にいる白ひげ本人もどことなく空気がピリッとしている。
そんな雰囲気を微塵も感じていないアリスは一向にシャンクスから離れようとしない。
「ふにゃう…(眠い…)」
人肌がちょうどいいせいなのか、アリスはだんだんウトウトし始めていた。
それに気づいたシャンクスは、アリスの頭を撫でて睡眠を促す。
そのうちアリスはシャンクスの服の中で寝てしまった。
マルコはやれやれという風にため息をつき、シャンクスからアリスを奪い返す。
「まったく、少しは危機感というものを覚えてもらわないとだめだねい」
マルコの腕の中でぐうスカ寝ているアリスはマルコがそんなことを思っているなんてもちろん知らない。
さて、ぼちぼち宴も終盤に差し迫ってきた頃、シャンクスの船の姿がようやくやってきた。
「お頭が世話になった」
副船長であるベン・ベックマンは帰りたくないとぐずるシャンクスに拳骨を一発お見舞いして大人しくさせた。
しかし、その騒ぎでマルコの腕の中で寝ていたアリスはむくっと起きてしまった。
見た感じまだポヤンとしていたが、先程よりは幾分ましなようだ。
「おお、アリス起きたのか?」
大きなたんこぶを頭のてっぺんに作ったシャンクスは、涙目になりながらベンに引きずられていく。
そんな光景を見て頭の中が?だらけになっているのか、起きたてのあたっまをフル回転して現状を把握しようと頑張っている。
流石に腕の中でパニックになっているアリスを見てかわいそうに思えてきたマルコはシャンクスが帰ることを教えてやった。
そこでようやく現状を把握したのかマルコの腕から飛び降りて(猫なのにまだ酔いがさめていないせいかベチャッと着地を失敗していた)よたよたとシャンクスに近づいていく。