第6章 赤い人
「なぁ、赤髪さんなんて堅苦しい言い方しないでシャンクスって呼んでくれよ」
「シャ、シャンクス…?」
エース以外を呼び捨てにすることがないので、これで合っているのか、分からず首をかしげて問いかけるようにするとなぜかシャンクスは床をドンドン叩いていました。
な、なにがあったんでしょう?
しばらくすると落ち着いたようで、ようく見るとシャンクスが叩いていた床が少しだけ凹んでいた。
…見なかったことにします。
「で、俺に何の用だ?」
あ、そうでした。
私はシャンクスに話しかけに来たんでした。
「あの、シャンクスは船長さんなんですか?」
皆との打ち解けあいを見ていると、ただの船員というわけではなさそうです。
「ああ。俺は赤髪海賊団の船長をやっている」
やっぱり、思った通りです!
私の勘は間違っていませんでした!
「アリス~!」
遠くからハルタくんの声が聞こえてきました。
周りを見てみるとハルタくんらしき人影が…
「あっ!おい、赤髪!お前何アリスをたぶらかしてんだよ!」
私の近くにいたシャンクスを思いっきり殴りに来ました。
今日はシャンクスが殴られるのをよく見ます。
「大丈夫だった、アリス?赤髪に変なことされなかった?」
私の肩をつかんで本気で心配してくれるハルタくん。
何もしてはいないんですが、なんだか申し訳なく感じてしまいます。
「もう!アリスはかわいいんだから気をつけなくちゃ!赤髪みたいな変な奴に捕まっちゃだめだよ?」
「う…、ごめんなさい…」
それからのハルタくんの行動は早かった。
私を子猫の姿に戻すと、一目散にエースのところへ連れて行かれ再び腕の中へ。
…今日は何回も同じことが続きます。
夜はシャンクスの船が来るまで宴となりました。
昨日もしていたんですが、皆さんそんなことは全く気にしていません。
シャンクスはお父さんと同じぐらい飲んでいます。