A lot of color【short story】
第1章 1 教えて下さい!
「ここはこうしてこうなる。だから、こっちも同じ。分かる?」
『え、えっとー。そこがそうなるから、こっちはこうなるってこと?』
「そうそう!もったいないよな。本気だして1からちゃんとゆっくりやればお前も頭よくなれると思う。」
『え。そうなの!?ちょ!!大翔もっと教えて!!』
「はいはい。これやろっか。お前が苦手そうなやつ。」
『う、これ苦手。』
「これは、さっきやったやつの応用な?だから?」
『あ。こうして。こうなるんだ!』
「そうそう!!出来んじゃん!」
そういって頭をポンポン撫でてくれた。
小さい時から変わらないその優しい手。
その手が大好き。
『でしょー!やろうと思えば出来るんだよ!』
「そうだなー。お前の場合やろうと思わないじゃなくてやらないのが正解だな。」
『うー。うるさいなぁ』
放課後の教室に居残りして。もちろん、先生には許可もらってだけど。
追試である程度の点取れたらなんかおごってもらおうかなーとか考えてたり。
『ねえねえ!!追試でいい点取れたら』
「なんかおごって。だろ?」
『さすが!おごって?』
「嫌だ。キリがねぇもんそれやってたら。」
『え~つまんないのー。』
「ほら。進めんぞ。」
『はーい。』
「あ。俺、陽菜が追試である程度の点取ったら、告るから。」
さっきの続きをまた解き始めたとき、急に言われた大翔の言葉。
『…………え?誰に?』
驚きすぎて変な声が出た。
そしたら大翔がめっちゃ笑いながら
「お前に決まってんじゃん。陽菜だよ。」
『ふーん。…………は?』
「まぁ、頑張れ。」
『なにそれ!!!』
「うるせぇな。早くやんぞ。」
いやいやいや!勉強どころじゃありません!
心なしか熱くなっていく顔をどうにかしてください!
教えて下さい。END