A lot of color【short story】
第4章 4 嫌い。
『好き』
『嫌い』
『好き』
『嫌い』
『嫌い』
『嫌い』
『嫌いぃぃぃぃぃ!!!』
「え、何?なんかあった?」
『もー!!あいつなんて知らないっ!』
「は?何があった?」
『あのね!!大翔が私の大好物のいちご食べたの!!』
「あーね。」
「あ!陽菜!!ごめんて!」
『嫌っ!』
「大変だねぇ。陽菜は、いちごの事となるとめんどくさいから。」
「まあ、な。でも俺が悪いしさ。陽菜。ほんとごめん!!」
すっかり拗ねてしまった陽菜ちゃん。
大翔くんと目を合わせようともしません。
それでも、機嫌をなおしてほしい大翔くんは頑張ります。
「あ!帰りに陽菜が行きたいって言ってたお店よってパフェ食べよう!な?奢るから!」
「あ。揺らいだ」
親友の莉緒ちゃんは、二人のやり取りを面白がって見ています。
ずっと行きたがってたお店のパフェ。
陽菜ちゃん。食べ物には弱いみたいです。
わかりやすく、動揺しました。
動揺した事が分かった大翔くんはもっと攻めます。
一生懸命ポケットを漁り始めます。
なにか見つけたようです。
「ほら!いちごミルクの飴あげるから!な?」
飴の中で一番好きな味。
今度はどうでしょう?
『…………しょうがないなぁ………。』
そう言って陽菜ちゃんは大翔君の近くによって手をぎゅっと握って一言言いました。
『…許す。』
「はぁ。よかった……。」
「え?何このカップル。可愛いかよ。」
『ねえ。飴ちゃんは……?』
「あ、はい。手ぇ出して?」
陽菜ちゃんはやっと機嫌がなおったので、素直にコクンと頷きました。
手を出して、大翔くんに飴をもらうと嬉しそうに顔をパァァァとほころばせます。
『ありが、と。』
「……まじ、可愛すぎか………」
『んー?なんて?』
「い、いや、なんでもないよ。」
『そっか?ねえ、大翔』
「ん?」
『好きだよー』
なんて可愛く微笑んで言うもんだから大翔くんは顔を真っ赤にしました。
「ばっ!おまっ!…反則だろ……。」
『ふぇ?なにが?』
「あーもー!」
「頑張れー」
嫌い。 End