A lot of color【short story】
第1章 1 教えて下さい!
『うわぁーーーー!!』
テスト返却中の教室のなか、一際目立つのは悲鳴をあげている女子。
『また赤点とったー!ヤバイよ!!』
補修がだるいのだ。
3回授業を受けてから再テストをするという感じ。
私はそれを何回も何回もやってきた。
先生によって色々厳しさも変わるから、もー終わりだ。私の人生は終わった。
『あー今終わった。私の人生、さようなら。』
なんて机に突っ伏しながらぼやく。
そうするとめっちゃニヤニヤしてる幼馴染みが話しかけてきた。
「ふーん。お前また赤点かよ。バカじゃね?」
『うーーーー!いいよね!大翔は頭いいからさ!』
なんて嫌みたっぷりに言ってみるけど、バカと言われていることに反論は全くできず。歯が立たない。悔しいけど、私はまず追試のことをかんがえなくちゃだ。
『あーもー!追試どうしよぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!』
「うるせぇな。」
『だってさー!!』
「しょうがねぇな。……放課後、図書室な。勉強見てやる。」
『ほんとに!?ありがとう!!』
つかかってくるけど、私が困ってると力を貸してくれるのは変わらなくて。
大翔は幼馴染みの私がいうのも変だけど、かっこいいと思う。頭もよくて、運動神経も抜群で。完璧人間。でも、私は勉強もできないし、がさつ。唯一の長所はスポーツができるぐらいしかない。
でも、高校までずっと一緒だった大翔。私よりも私のこと知ってるんじゃないかってぐらい。
だから、私にとって大翔は大切で大事な幼馴染み。
そして、大好きな人。
気づいたときには好きになってた。それでも気持ちを伝えてしまったら、今のこの心地よい距離感が遠くなってしまうんじゃないか。とか、話さなくなっちゃうんじゃないかって。不安になってしまう。
いつかは、大翔 の隣にたって、胸を張って
「大翔の彼女です。」って言えるようになりたい。
でも、気持ちは必ず伝えようって思った。
next→