an inseparable twosome~ずっと昔から~
第2章 2 想い
悠人side
知っていた。宮部ちゃんの顔も名前も。
入学式の時、俺の回りのやつらがずっと騒いでいたからやけに覚えている。
マネージャーが風邪で休んでしまったとき、宮部先輩が助っ人に来てくれて、委員会の仕事の日はさすがに難しかったらしく、妹さんに頼んでくれた。
いつも遠くから見ていたよりもすごくかわいくて、あいつらが騒ぐ理由が分かった気がした。
その日しか関わりがないだろうと思っていたけど、まさかの委員会が一緒だった。
声をかけると驚きながらもしっかり挨拶してくれた。
話を真面目に聞く姿とか、反応の仕方とか。全部が全部なんて言うんだ?こう。男心をくすぐるというか。
初めてあった気がしなかったんだ。ずっと前に出会っていた気がした。でもいつかも分からねぇし、どこでかもわからない。ただ、また会えてよかったという気持ちが溢れてくる。
学年は違うけど、移動教室の時とかにはよく会うし、朝なんて間邉ちゃんと一緒に階段を上っているのをよくみたり、下駄箱で会ったりする。朝練がないときだけど。そんなとき、挨拶をする。
「おはよう!宮部ちゃん間邉ちゃん」
「おはようございます!」
『お、おはようございます…!』
ん?なんか、顔赤くないか?宮部ちゃん。
熱?大丈夫かよ。とか頭んなかでは言えるのに、本人には言えない。だっせ。一人前に心配できるようになりたいと思った。そのとき、宮部ちゃんたちを呼ぶ声が聞こえた。
「宮部!間邉!おはよ!」
『あ、志水くんおはよう!』
「志水!おはよー!」
「おう!…………あ、おはようございます」
「お、おはよう」
イケメンくんだな。あ、こいつクラスの女子が騒いでたやつじゃん。名前、なんだっけな。
「あ、志水凱都です。」
「古川悠人だよ。よろしくな」
「はい。」
「そろそろ教室いかないとかな?じゃあね」
「はい!また!」
間邉ちゃんがそう言ってくれ、宮部ちゃんはペコリとお辞儀。志水は、宮部ちゃんと同じお辞儀をした。