学園は溺愛の箱庭(ONE PIECE長編学園パロ夢・番外編)
第2章 聖夜のシンデレラ(*)
無論セナ自身がわざわざ敵を作りにいっているわけでなく
周りが勝手に、セナを敵視してくるのだ…主にロー絡みで
入学式の日から、何かと話題になって注目の的である生徒会長カップルを良く思わない女性徒は山のようにいる
あわよくばセナを引きずり下ろし、その座を奪おうと目論む人間も後を絶たないのだが
そもそも、ロー自身がセナを溺愛しているため
そんな目論みたちは水の泡なのだが
『こいつから言い出す事には、弱ェんだよな』
いつも冷静沈着、なおかつ自信家で余裕綽々の生徒会長サマなのだが
溺愛しているセナが、唯一の弱みでもある
そんなセナが記憶をなくしたとなれば、在らぬことを吹き込みわざと遠ざけようとする輩も居るだろう
そうなると、絆が薄れている今2人の関係に大打撃になると言っても大げさでは無い
だからナミは先ほど声を潜めてスモーカーに事情を話したのだ
いらぬ飛び火をせぬように
「取り敢えず3人とも席につけ。HR中だ」
スモーカーはセナの頭をくしゃりと撫でつけ、教卓へ向かう
『言う相手間違えたかしら』
スモーカーも大概にセナを溺愛しているのを知っているナミは、そんな様子を見て嫌な予感が過ぎりながらも自身の席へと戻った
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昼休憩になって再び1-Cにはぞろぞろと仲間が集まる
サンジお手製の弁当が入った重箱を、いつものようにルフィとゾロも運んできた
「ローと、今日はキッドも来るらしいからもう少し待てるかい?レディ達」
「ロー…?って、誰でしたっけ」
「「え?」」
珍しくシャチと並んで座っていたセナが首を傾げると、全員の表情が固まる
「おい、何言ってんだよ!朝も会っただろ」
「え、そうだっけ…?会ったかなぁ」
「あれっ、シャチさんの事…思い出したんですか?!」
「「!そういえば!」」
普段通りに話しているのでスルーしかけたが、シャチに対する口調が元に戻っていることに気付いたのは反対隣にいたビビ
その声に、カヤとナミ、続いてはルフィたちもそうだ!と気付いた様子
「何マヌケな顔してんだテメェら…」
「あ、キッド」
見知った全員鳩が豆鉄砲を食ったような顔をしていたので、教室へ入ってきたキッドが突っ込んだ
それに気付いたセナが、嬉しそうな笑顔を浮かべた