第27章 小さな太陽と大きな背中
~東峰side~
ー 東峰!1年が呼んでるぞー ー
1年?
あれは昨日の・・・もう1人は、誰だ?
また、部活の話か・・・
重くなる気持ちと、重い腰を上げて教室の入口に向かう。
日「旭さん、こんにちは!」
「日向・・・だっけ?それからキミは?」
『1年の城戸です。この度、バレー部のマネージャーとして入部したので、ご挨拶に伺いました』
マネージャー?
清水の後釜・・・って言ったら失礼だけど、まぁ、そういう事か。
「城戸さん、ね。で、オレに用事って?」
そんな事、聞かなくても見当はついてる。
日「部活、来てください!」
・・・ほら、な。
やっぱりそうだ。
「昨日も言ったけど・・・オレは・・・もう」
『東峰先輩、どうして部活に顔出さないのかっていう理由は私は知りません。だけど、もし・・・その理由が解決出来たら、放課後もお会いする事は出来ますか?』
「・・・え?」
そんな、真っ直ぐな目で・・・オレを見るな・・・
何も曇りのない、透き通るような目で・・・見るなよ。
「さぁ・・・どう、だろう・・・な」
オレは、あの場所に立つ事は許されないんだ。
だってオレは・・・もう、エースなんかじゃないんだから・・・
『東峰先輩、また・・・来ます』
日「えっ?城戸さんもう話終わり??」
『行こう日向君。せっかくのお昼休みだから長居したら悪いでしょ?』
・・・そこは気にしなくていいんだけどね。
日「でもまだ、部活の話が、」
菅「やっぱり日向かぁ!な~んか日向の声がするなぁって思ったんだよね?それに紡ちゃんも!」
「スガ・・・」
『ひ、日向君、早く行こう!』
城戸さんは、松葉杖をつきながら、なぜが少し慌てた素振りをして身を翻している。
菅「紡ちゃん?オレから逃げようとしても・・・ほら捕まえた!」
『ぎゃっ!』
「ス、スガ?!」
早足で近付いてきたと思ったら、スガは躊躇うことなく城戸さんに抱きついた。
菅「紡ちゃん、ここにいるって事は旭に用事だったの?」
『はい、ご挨拶に・・・っていうより、スガさん離して下さい!みんなが見てます・・・』
菅「いいじゃん!オレと紡ちゃんの仲だろ?」
「あぁ、そういう事か・・・」
『違います!』
日「違います!」
な、なんだ?!
菅「そんな、照れるなよ・・・あ、ヤベ」