第27章 小さな太陽と大きな背中
テーブルの上には、2人分の食事の用意と・・・メモ書き?
テーブルへと足を進め、紡の字で書いてあるメモを手に取った。
〝 桜太にぃ、慧太にぃ、おかえりなさい。夕飯はオムライスとスープを温め直して、サラダとフルーツは冷蔵庫にあります。ケチャップのハートは自分で書いてね? もしくは、お互いに書きっこしてね? 紡 〟
書きっこしてね・・・って。
俺が、慧太のに?
で、慧太が、俺のに?
・・・・・・・・・・・・・・・絶対イヤだ。
慧「考えてることダダ漏れしてんぞ。言っとくケドな、オレも勘弁だからな。どーしてもってなら、書いてやるケド?」
「断る」
即答かよ~とケラケラ笑いながら、慧太がケチャップを持ってくる。
慧「それからよ、紡・・・多分だけど夕飯食べてないぞ・・・」
「え?!なんで?」
慧「どういう理由か分かんねぇけど。食べた形跡が、ない」
紡が夕飯食べてない?
どういう・・・学校で何かあったか?
それとも、夕飯が食べれない程に体調が悪い?
慧「桜太、お前様子見て来いよ。なんならオレが行って来てもいいけどな」
いや、慧太・・・その姿でお前は行くな、頼むから。
というより、そんな格好のまま行かせる訳にはいかない。
ダメ、絶対!
さっきの言葉がまた浮かぶ。
「分かった。俺が様子を見て来るから、慧太はとにかく服を着ろ」
そう言って俺はもしも・・・の時の為に救急箱を抱えて紡の部屋に向かった。