第27章 小さな太陽と大きな背中
~月島side~
澤「で、どうしてここで着替えようなんて思ったんだ?女子更衣室があるだろ・・・」
『そ、それは・・・その・・・』
なに?
澤村さんがあんな風にポチに説教するとか、珍しいんだけど。
それにポチは、今日復帰したばっかなのに?
来て早々に、なにやらかしたんだか。
『着替えようにも、女子更衣室が2階で・・・階段に手すりないし・・・だから、少しなら平気かな?とか・・・』
・・・はぁ?
澤村さんに説教されて、言い訳をしているポチの言葉に思わず足を止めた。
まさか、ポチ・・・ここで着替えてたとか?
澤「それくらいなら誰かしらに声かけてくれたら抱えるなり何なりするから。俺達に言えないなら、影山だっているだろうに・・・」
『えっと、それはちょっと・・・』
影山が抱える?
「あぁ、ポチまだ気にしてるワケ?あの色気のないブルーの、」
『わぁっー!わーっ!わーっ!』
澤「な、何だ急に?!」
『ななっ、なんでもないでふっ!』
・・・噛んだ。
『・・・・・・』
恥ずかしそうな顔をしながらも、ポチは僕をじろりと睨む。
別に、そんな顔したって僕は怖くも何ともないケドね。
「いいんじゃないですかぁ、澤村さん?ポチがここで着替えたって」
澤「月島?」
「それこそ、着替えてる間は誰かがドアの前に立ってればいいわけデショ・・・」
誰かを呼んで2階に連れてくなら、手間は同じ。
澤「まぁ・・・そうだな」
「ポチ、そうすれば?立ってるだけなら、僕でも出来る・・・しね」
『月島君・・・ありがとう!』
途端に嬉しそうな顔をされると、それはそれで・・・何となくイジワルをしてやりたくなる。
「別に、僕が見張り役やるなんて言ってないケド?」
『うっ・・・』
ほら、その顔。
怒ったり、嬉しそうにしたり、しょんぼりしたり・・・
ホント、子犬。
だからポチは・・・ポチなんだよ。
改名してやる必要は、なし。
「ここまで来るのに、どうせ一緒になる事が多いなら・・・見張ってやらなくもない。僕がイヤなら山口にでも頼めば?」
山「え、あ、オレで良ければいつでも!側にいればいいんだよね?」
『えっ?!あ、えっと・・・』
「山口、話聞いてた?側にいたら、ポチが着替え出来ないデショ。みたいの?ポチの生着替え」