第27章 小さな太陽と大きな背中
「この方が早い」
そう言って片方の腕で城戸を小脇に抱えた。
『あっ!ちょっと影山?!それやめて!!』
「うるさい!ジタバタ暴れんな、危ねぇだろボゲェ!」
『だったら下ろしてよ!これじゃ、見えちゃう・・・』
「はぁ?!」
城戸が必死にスカートの裾を押さえて叫んでいた。
・・・見えちゃうって?
「あ、もしかして、パ!」
『口に出して言わないでよ!!』
城戸の・・・
月「ブルーのストライプ・・・」
山「ツッキー・・・・・・・・・」
月島のひと言で、城戸の動きがピタリと止まる。
『み、見えた?』
月「どうせなら、もっと色気のあるヤツにして欲しかったね」
『!!・・・・・・影山のバカッ!!』
「俺が見たわけじゃねぇだろが!!」
・・・ブルーの・・・ストライプ・・・
直接見てなくても、脳内変換で柄が浮かび上がって来て、軽く頭を振った。
『ちょっと!!想像しないでよ変態!!』
「あぁもう、うるせぇんだよ!行くぞ!」
スカートの裾を抑えながらギャーギャーと喚く城戸を抱えて一気に階段を降りた。
・・・っていうか。
「城戸・・・お前、体重増えた?」
青城で抱き上げた時と少し違和感がある重さに、思わず呟いた。
山「か、影山!女の子にそれ言っちゃダメ!1番ダメなヤツだからね、それ!」
月「色気のないヤツ履いてる上に、ウェイトオーバーとか」
山「ツッキーも!!」
冷静に言う月島と、慌てながら言う山口を見て、俺はなんか変なこと言ったか?と考える。
『影山なんか・・・影山なんかもう知らない!!』
うっすら涙目の城戸が、顔を横に向けながら小さく叫ぶ。
俺・・・なんか悪いことでもしたか?
城戸が不機嫌になった理由が分からないまま、俺は昇降口までそのまま歩いた。