第26章 交差する想い
しまった・・・つい大声に・・・
菅「だ、大地?!お嫁さん候補って何?!じゃなくて誰?!まさかとは思うけど紡ちゃんじゃないよね!ね?!」
スガ・・・お前の紡アンテナはどれだけ広く張り巡らしてんだよ・・・
それは電話の向こうの紡にもバッチリ聞こえていて、私はお嫁になんか行きませんから、と笑っている。
「いいからスガは戻れって。はい、行った行った!」
軽く追い払い、コホンと咳払いをして話を続けた。
『あと、学校に行ったら大地さんと大事なお話がしたいんですけど・・・いいですか?』
「大事な話?それは今じゃ出来ない話かな?」
『えっ、と・・・今はまだ、どう話したら良いのか覚悟が決まってなくて・・・ですね・・・それに、出来ればきちんと、顔を見て話がしたいかな?なんて・・・』
覚悟が・・・?
ちゃんと顔見て・・・?
・・・それってまさか?!
「こ、告白・・・」
『え?!』
しまった!!
また心の声が漏れた!!
『あの・・・大地さんが考えているような・・・甘いお話ではなくて、ですね・・・その・・・』
・・・違うのか。
遠くで、チーン・・・という哀愁漂う金の音が響く。
俺は、そういう対象では・・・ないわけね・・・
「いや!まだ分からないじゃないか!」
『・・・大地さん?』
「あ、何でもないよ。コッチの話・・・アハハ。それで、話を戻すけど・・・俺はいつでもいいよ?学校にいる間でも、放課後でも。何だったら朝イチとかでも時間作るけど?」
『だったら、お昼休みとか・・・どうですか?』
昼休み?
「いいよ、昼休みで」
いつもなら、スガと一緒に話しながら食べるけど。
用事があるなら、女子じゃあるまいしスガも誰かと食べるだろ。
『よかった。あの、ちなみに大地さんって・・・いつもお弁当持ちですよね?』
「俺?まぁ、そうだけど。でも、月曜日はうちの母親が夜勤明けが多いから、学校へ来るまでに買ったり、購買で済ませたりが多いけど・・・なんで?」
『あ、いえ。別に深い意味はないんですけど、それだったらその日は大地さんのもお弁当、作っていきますね』
「本当に?!」
『はい、本当に』
うっわ・・・なんだこの舞い上がりそうな嬉しさは!
女の子からのお弁当なんて・・・俺、初めてだよ。
逆に言えば、それだけ彼女いない歴が長い・・・って事だけど。
