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【 ハイキュー !!】~空のカタチ~

第26章 交差する想い


いきなり電話とか、変?

・・・いや、でも。

電話なんて、だいたい前もって今から電話するからとか・・・言わないデショ。

フッ・・・と鼻で笑い、アドレスからポチの番号を探し、また笑う。

アドレスに・・・ポチって登録してんの、きっと僕だけだな。

ほんの僅かな特別感に、口元が緩む。

ま、ポチもなんて登録してるか知らないけど。

通話ボタンを押して、コール音を数える。

出ない、か。

7回目のコール音の途中で電話を切った。

せっかく褒めてあげたついでに、退屈な入院生活の話し相手になってあげてもいいかなとか、思ったのに。

・・・シャワー、入ろう。

ベッドにスマホを放り出し、着替えを持ってドアへ向かう。

もしかしたら・・・そんな考えが浮かび、ベッドまで戻り着替えの上にスマホを乗せ部屋から出た。

シャワーで泡を流していると、ドアの向こうから聞きなれた音が鳴り響く。

こんな時に、誰だよ。

山口とかだったら、放置しといてかけ直せばいいや。

ドアを少し開け、目を凝らして着信相手が誰なのか見る。

眼鏡がなくたって、これくらいは・・・ポチから?

用意していたタオルで慌ただしく適当に泡やら水気やらを拭い電話に出た。

「ポチ、なに?」

先に掛けていたのは僕なのに、それでも素っ気なく言ってしまう。

『えっ?!あ!出た?・・・も、もしもし月島君?!』

ちょうど切ろうとでもしてたのか、ポチが慌てているのがわかった。

「ポチうるさい。で、なに?」

『えっと・・・月島君からの着信が残ってて・・・それで・・・』

まぁ、そうだろうね。

不在着信が残ってたら、掛けてくるよね。

でも・・・ちょっとだけ、意地悪を思いつく。

「あぁ。それ、間違ただけ」

まるで他の誰かに電話をしようとして、間違えてポチにかけたかのように伝えると、あからさまにガッカリされた。

『・・・違ったんなら、大丈夫。ごめんね?何か慌ただしくコール鳴らしちゃって・・・じゃ、切るね?』

ちょっと・・・その返答は期待してないんだけど?

「・・・ウソ。ホントはポチにかけた。でも、出なかったから」

『え?!あ、ごめんね?武田先生から渡された課題やってて・・・』

優等生のポチは、入院中でもお勉強ですか。

だったら、話し相手なんて・・・いらないじゃん。













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