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【 ハイキュー !!】~空のカタチ~

第26章 交差する想い


さっきから、時間ばかりが気になる。

あと少し経ったら・・・

また、長い夜が始まるから。

1人だけで過ごす夜は、怖い。

ひとたびマイナス思考にハマってしまうと、脱げ出すのは簡単じゃないから。

もう1度、時間を見る。

・・・まだ、みんな部活やってる時間かな?

それとも、疲れたー!とか言いながら、片付けを始めている頃だろうか。

ひとつ、ため息が零れる。

ここは小児科病棟の為、テレビがある談話室は他より早く閉められてしまう。

そして、個室とは言ってもこの部屋も小児科病棟だからテレビなんて置かれていない。

目の前には武田先生が届けてくれた数々の課題の山・・・

なんでこんなに沢山あるかなぁ・・・

適当な所をペラリと捲ると、目がチカチカするような数字が並んでいる。

やるしか、ないか。

髪をまとめ上げ、届けられたバレッタで留めると、よし!と気合いを入れた。

静まり返った部屋に、文字を書く音とため息が響く。

・・・行き詰まった。

それもそうだよ・・・みんなは授業でやったかもだけど、私はその授業受けてないんだから。

ペンを放り出し、背伸びをしながらベッドにゴロンと転がった。

桜「紡、入るよ?」

天の助けが来た?!

『桜太にぃ、早く来て!!』

桜「紡?!」

私が早くと声を上げたせいか、桜太にぃが慌て気味に部屋に入って来る。

『ちょっと・・・教えてくれて貰えたら嬉しいです・・・』

桜「・・・・・・何事かと思うような呼び方はやめろって・・・」

少し呆れ顔をされたけど、それでも私の手元を見て笑顔に変わる。

『武田先生から渡された課題の山をやっつけようと思って、数学から手を付けたんだけど・・・行き詰まっちゃった』

桜「どこ?・・・あぁ、証明ね。紡は苦手だからね、この分野」

世の中に、この分野が得意だぁ!って両手を上げる人がいるのだろか・・・と思っても、その言葉を飲み込んだ。

『証明ってさ、なんでいちいち計算しなきゃいけないんだろう。正方形は四角です!とかじゃダメなのかな』

桜「紡はいつもそれ言ってる」

『だって・・・』

桜「じゃ、時間もないし?サクッと教えてあげるから」

そう言って、桜太にぃは私が放ったペンをとりスラスラと問題の解き方のコツをメモしてくれた。

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