第26章 交差する想い
菅「大地~!コッチ全部終わったよ?」
片付けを終わらせたみんなを部室に向かわせながら、スガがこっちへ歩いてくる。
「先生・・・俺はもう1度、紡を部に誘ってみようと思ってたんです。だけど・・・」
今の話を聞いて・・・もし、断られたら・・・
そう思うと、決意が鈍った。
武「澤村君。何かを始めようと思う時、それが遅すぎると言うことはありません。そして、その行動を起こすと言うことは、可能性もゼロではないんですよ?・・・僕は、中立の立場ではありますが・・・澤村君達を応援したいと思います」
「遅すぎる事はない・・・」
武「それから、もう一つ。病室に向かう時、青葉城西のバレー部員を見かけました」
青城のバレー部員?!
「先生、それは誰か分かりますか?!」
武「名前までは、ちょっと・・・。ですが、確か影山君と同級生だったと思います。あ、昨日も練習試合に出てた人です。背が高くて、おとなしい感じの。うちで言えば、月島君みたいな雰囲気の・・・」
練習試合に出ていて、背が高くて、月島みたいな?
昨日の青城のメンバーを頭に浮かべ、その条件に照らし合わせていく。
ひとり該当者が浮かび、胸がドクンと音を立てる。
「先生!ありがとうございました!・・・スガ!悪い鍵閉め頼む!」
菅「え?あ、ちょっと大地?!」
「急ぎで影山に用がある!頼む!」
それだけ行って部室まで走り、勢いのままドアを開けた。
「影山いるか?!」
田「キャーッ!いきなり開けるなんて、大地さんのエッチ・・・」
「あ、いや・・・スマン・・・じゃなくて!!影山は?!」
サッと見渡す限り、影山の姿は見当たらない。
縁「大地さん、影山なら・・・」
「もしかして帰った?!」
縁「あの、大地さんの後ろにいます、けど」
縁下に言われ振り返ると、俺の後ろに影山が立っていた。
影「俺になにか・・・」
「ちょっと聞きたいことがある。影山、青城のバレー部に・・・背が高くておとなしい感じの月島みたいな雰囲気の・・・名前・・・」
影「月島みたいな・・・?誰ッスか?」
いや、俺が聞いてんだけどな。
えっと、他には・・・
「そうだ!紡を紡って呼ぶ影山の同級生!」
影「城戸を?・・・あぁ、国見ッスか?アイツがなにか・・・?」
あの1年、国見っていうのか・・・
「その国見って人の事を聞きたい」
