第26章 交差する想い
送信が終わったスマホを枕元に放り、自分も不貞腐れて転がると同時にスマホが震えだす。
着信?って、影山から?!
で、出るのが怖い。
連絡するの忘れた上に、メッセージもひと言しか返してない。
放置、したら余計怒るよね・・・
振動を続けるスマホを手に取り、恐る恐る着信を受けた。
『も、もしもし・・・』
影 “ 出るの遅せぇんだよ!ボゲェ!! ”
『だって影山が怒ってる気がして出れなかったんだもん!』
影 “ はぁ?!なんで怒らなきゃいけねぇんだよ!! 怒ってねぇし!! ”
『もう既にいま怒ってるじゃん!!』
影 “ウルセェな!怒ってるないって言ってんだろ!だいたいお前はアレだ、連絡は忘れてるし、LINEの返事はひと言だし、チビ助だし、ブスだし!ギャーギャーうるさいし! ”
・・・何これ。
怒ってる上に、本人に直接悪口のオンパレードですか。
『チビ助でお子様でブスでギャーギャーうるさいですよ!だったらわざわざ電話なんかしてこないで!じゃあ切るから!』
勢いに任せて、寂しさのイライラをぶつけてしまう。
影 “バカ待て!早まるな! ”
『バカってなによ?!バカって言った方がバカなんだから!影山のハゲ!』
影「誰がハゲだ!どう見ても俺はフッサフサだっつってんだろ!!いいから話聞けよ!」
『な、なによ話って・・・』
言い合いばかりしていても仕方ないと思い、こっちが聞く体制を作る。
影 “ あ、いや、何って改まれると・・・だな。その、アレだ。お前がいないと、静か過ぎて・・・1日が長いんだよ・・・ ”
『影山、もしかして・・・ぼっちなの?』
影 “・・・誰がだ!とにかく、うるさいお前の声がちょっと聞きたかっただけだ!!じゃあな!! ”
切れた?!
何なのいまのは!!
なに爆弾落として勝手に切ってんの?!
声が聞きたかったって、どういう事?!
あぁもぅ!!
『影山のバカ!!!』
広い部屋で大きく叫びながら、枕を抱き抱えてベッドに転がる。
学校行けるようになったら・・・絶対1回はぶっ飛ばす。
モヤモヤしながらゴロンと寝返りを打つ。
静まり帰った部屋に、少し控えめなノックの音が響いた。
『どうぞ!!』
どうせ桜太にぃか看護師さんだ。
そう思っていたら、ドアを開けたのは・・・
思いもよらない人物だった・・・