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【 ハイキュー !!】~空のカタチ~

第32章 不協和音


お昼休みになり、とりあえずは矢巾さんに連絡をする約束を優先させようと1人でお弁当を持って教室から出る。

影山はいつものようにあっという間にお弁当を食べて、机に突っ伏してお昼寝モードだし、縁下先輩にアドバイスされたように放置プレイでいいかな?とも思うし。

いつもの場所に移動しながらメッセージを送り、その場所へと着くと同時に着信音が鳴った。

『はい、城戸です。私から掛けようと思ってたのに、矢巾さん行動早いですね』

矢 ー えっ、そう?!メッセージのやり取りでもいいんだけどさ、どうせなら早く話がしたいなって思ったから ー

半ば笑いながら言うと、電話の向こうで矢巾さんは笑っていた。

あっけらかんと言う矢巾さんに私も笑いながら、今朝の事を伝える。

澤村先輩が···とか、そういうのは言わなくてもいいと省き、道宮先輩との事や今日の放課後から練習に参加する事などを話すと、矢巾さんは私が話終わるまで黙って聞いてくれていた。

『···なので、今日の放課後から今までよりも少し忙しい感じにはなるんですけど、でも引き受けたからには···打倒青城です!』

矢 ー アハハ、頼もしいなぁつーちゃんは。その打倒青城!って言ってる中にオレはいるんだけどね? ー

『でも矢巾さんは男子バレー部じゃないですか。そこを倒すのは私じゃないですよ?』

矢 ー オレはとっくに、つーちゃんに倒されちゃってるけどね? ー

そう切り返してくる矢巾さんに、私なんかしたかな?と会話をしながら考えるも、思い当たる所もなく。

きっと話の流れで矢巾さんが言った冗談のひとつなんだと飲み込んだ。

『まぁ、そういう事なので報告はこんな感じです』

矢 ー うん、分かった。でも、オレが言った通りだろ?ちゃんと条件つけて引き受ければ、自分でも納得出来るって ー

『はい!とりあえずは練習参加してみないと感覚取り戻せるかまだ不安ですけど、やってみます!』

矢 ー 頑張ってね!って敵チームの学校のオレが言うのも変だけど ー

そう言いながら笑う矢巾さんに釣られて私も笑いながら、また何かあったら連絡しますと言って通話を終えた。

矢巾さんって、不思議な人だな···

モヤモヤしてても話をしてるとそれが消えて行く。

そんな事を考えながら、私は1人···お弁当の蓋を開いていた。
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