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【 ハイキュー !!】~空のカタチ~

第32章 不協和音


『あ、うん···大丈夫。慧太にぃには連絡したから』

桜 ー なら、いいけど。夕飯に響かない程度にしなよ?じゃないと、慧太が寂しがるからね?···俺もだけど ー

『分かってる···っていうか、寂しかったんだ?』

桜 ー ···さぁね。じゃ、俺も用事が終わって帰る途中だから、帰る時にまた連絡して?それじゃ ー

矢巾さんと寄り道をする事をそれぞれに連絡して、通話を終えた。

桜太にぃ、用事って何だったんだろう。

こんな時間まで桜太にぃが出掛けてるとか、珍しいよね?

矢「家の人、大丈夫だった?帰りはちゃんとオレが送るから心配しないで?」

私が連絡を終えるのを待っていてくれた矢巾さんが、ひょこっと顔を覗かせる。

『大丈夫です。ちゃんと誰とどこにいるかは連絡しましたから。それに、兄達は及川先輩達の事を知っているので、矢巾さんの事を伝えても別に反対はされませんでしたよ?』

矢「そっか、なら良かった···じゃ、行こうか?」

矢巾さんの後に続いてすぐ近くのファミレスへと入る。

矢巾さんは軽く食べられる物とドリンクバーを、私は迷いに迷った挙句、誘惑には勝てずイチゴパフェとドリンクバーのセットを頼んだ。

メニューとにらめっこして唸る私を何度も矢巾さんが笑い、それが元で私も矢巾さんに対して少しだけあった軽い警戒心も溶けていった。

それぞれが注文した物はすぐにテーブルへと運ばれ、向かい合って座ったまま黙ってシルバーセットを手にした。

『矢巾さん、そのパスタは今日の夕飯ですか?』

軽く食べられる物とは言っても私からしたら普通に夕飯になりそうな物をチラリと見ながら聞いてみる。

矢「これ?いや全然?家に着くまでのエネルギーだから、夕飯は帰ったらちゃんと食べるけど?なんで?」

影山か?!とツッコミたくなるような答えに思わず笑ってしまう。

『いえ···別に深い意味はないですけど、運動部男子って、みんなたくさん食べるんだなって』

矢「そう?青城の中でもオレとか、あと国見とかは少食な方だと思うけど。3年組とかはもっと食うぞ?あの及川さんだってそれなりに食べてるし?」

『そうなんですか?あんまりそういう感じには見えないですけど···あ!でも中学の時に牛丼特盛とか言うの食べてるの見たことあります!』

あの時は、まだ楽しい日々だった事も同時に思い出し目を閉じた。
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