第31章 ステップアップへのチャンス
~ 日向side ~
なんで上手く行かないんだろうって、そればっかり考えてたけど···
いまの言葉で、ちょっと気持ちが軽くなった気がする。
力み過ぎない!
でも頑張る!
そう思って、1度大きく深呼吸する。
···今度は烏野からのサーブ。
絶対、リターンでボールは返って来る!
ー ピッ! ー
夜「福永!!」
音駒の人が、こっちのサーブを上手いレシーブで研磨に繋ぐ。
···研磨は誰にトス上げる、ん···?
濃い坊主の人、飛び出して来た!
速攻か?!
ー 視野を広く、な? ー
ふとキャプテンの言葉が頭に浮かぶ。
視野を広く···あっ!2番の影から7番!
打つのは7番だ!!
そう決めると、何より体か動き出す。
思った通り、研磨は7番にトスを上げた!
···止める!!
犬「ああっ!」
クソっ···ワンタッチか!
西「ナイスワンタッチ!!」
澤「チャンスボール!」
落ち込んでるヒマなんか、ない。
今度こそ···決める!!
だから影山!
オレにトス、上げてくれ!!
全力でコートを駆け抜け、思いっきり踏み切って···飛ぶ!!
来た!影山のトス!!
くっ···よし!指先だけどちゃんとボールに触った!!
ヤバい···音駒のリベロが飛び込んで来る?!
落ちろ···ちゃんとコートの中に落ちろ!
ー ピッ! ー
やった···ヘロヘロのボールだけど、ちゃんとコート内だ!
「よっしゃぁー!!!」
さっきとは違う感覚···いまのはちゃんと触れた!
「もう1本!」
失敗してもいいんだ、何度でもやっていいんだ···練習試合、だから!
海「犬岡、サーブ···」
犬「あ、はい!」
向こうはローテ回るのか···あのデカツンツンが後衛に下がると、こっちのトサカヘッドが前衛···
デカツンとの勝負は楽しいけど、こっちは···怖い。
黒「20センチ以上の身長差で犬岡と互角以上に戦うなんて、スゲーなチビちゃん」
ニヤニヤしながら見下ろされて、なんかムカつく!!
「うっ···チビって言う方がチビなんだぞコラァ!」
黒「フッ···」
は、鼻で笑われた?!
くそぅ···このトサカヘッドも絶対打ち抜いてやるからな!!
ぜってぇ負けないからな!!