第31章 ステップアップへのチャンス
~ 澤村side ~
こんな短時間で2回目のタイム要求?
正直そう思ったけど、今の影山と日向の状態を見れば納得はできる。
影山はともかくとして、日向···だよな。
繋「日向、1回落ち着け」
日「は、はい···すみません、オレ···ミスたくさん···」
「そんなこと気にす、」
田「何を言うか!オレはいつもお前のおかげでフリーで打ててるからな!たまにはオレの方がカッコイイ試合があったっていいんだ」
あぁ、そうか。
こういう時こそ、田中の出番だったな。
俺が間に入ると日向は妙に恐縮する時があるから、田中の方がずっと日向と向き合えるだろう。
青城との練習試合でガチガチに緊張してた時も、田中の言葉で変わったし、な。
西「旭さんの方が決めてるけどな」
田「ウルセー!とにかくいいんだ!ねぇ?!旭さん!」
···この2人は、清水に関しては同調するのに、なぜ肝心な時にこうなんだ。
そして。
旭「あ···あぁ···そうそう。点はオレ達が取り返す」
旭···お前もガッツリ前のめりに宣言しろよ。
問題児ばかりだな、ウチのチームは···
月「あんまやらかすと代えられちゃうかもだけどねぇ」
ニヤリと笑いながら月島が冷やかしに加わる。
ここにもいたか、問題児が。
全くしょうがない、と息を吐きながら月島の肩を叩きながら前に出る。
「日向。何か掴めそうならトコトンやりな。飛んでる時は1人でも、後ろには俺達がいるし」
日「キャプテン···」
「それに点はエースが取り返してくれるらしいしな!」
旭「アイタっ!」
その場の空気を締めるように、わざと強めに旭の背中を叩いて見せる。
菅「大地、旭にプレッシャーかけんなよ?傷ついちゃったらどうすんだ」
西「そうですよ!ガラスのハートなんだから···」
田「もうやめてあげて···」
こういう時は田中と西谷は同調すんのか。
「ま、とにかく。日向、自分が思うようにやってみなさい。影山は日向のフォロー···後ろは俺達に任せなさいって」
日「はい!!」
菅「キャ~素敵~!お父さんカッコイイ!」
「お父さんはやめろ」
スガの言葉にみんなの顔が緩む。
よし、これで少しは緊張が解けたかな?
「1点でも多く取り返す!行くぞ!!」
「「 ーッス!! 」」