第29章 ネコと呼ばれる人達
縁下先輩からの提案を受け、それなら多少のムリも効く···かな?と思って澤村先輩のGOサインに頷いた。
『でも、皆さんは皆さんの準備があるので、出来る限り私も動きますから』
縁「大変なのは分かってるよ。でも、こういう時は遠慮なく頼って欲しいかな?」
ね?と言いながらニコニコとする縁下先輩に、それ以上は何も言えないかな···と思い、清水先輩にそれも合わせて伝えておきますと返事を返した。
『大地さん、当日はそんな感じでいいですか?清水先輩と武田先生と相談して、前日までに足りないものは買い足しておきますから』
澤「お願いするよ。もちろん、手が足りない時は縁下が言ったように遠慮なく俺達に相談すること、いいね?」
はい!と笑って、事細かくノートにメモを取り終えて閉じる。
『じゃあ皆さん、お邪魔しました』
菅「紡ちゃん、部屋まで送ってくよ」
澤「あ、じゃあ俺も着いてく。スガが送り狼にならないように」
菅「なるかい!」
···大丈夫だと思うけどな?
私にあてがわれた合宿中の部屋は、何があっても大丈夫なように!って、1階の武田先生の部屋の隣だし。
それでも、女1人で泊まり込む事に気遣ってくれてるんだと感謝してここはお言葉に甘える事にした。
菅「足元暗いから気をつけてね?」
澤「そうそう、スガにも気をつけてね?」
『大丈夫ですって、階段もスガさんも』
菅「紡ちゃん···あのね」
ふふっと笑いながら、3人で薄暗い階段を降りていると、突然響き渡る叫び声が!
ー ぎゃぁぁぁぁぁぁっ!!! ー
『きゃぁぁぁっ!!···な、なに?!』
驚きの余り抱えていた筆記用具を盛大に落しつつ、側にいる菅原先輩に飛び付く。
ー オレだよ!旭だよ! ー
···え?
澤「旭?」
菅「ってか、紡ちゃん?しがみつき過ぎ···オレ的にはラッキーだけど」
ポンポンっと背中を叩かれ、顔を上げた時の距離の近さに更に驚き体を離す。
『ご、ごめんなさい!ちょっとビックリして』
そんな私達の会話を聞きながら澤村先輩が階下を覗く。
澤「旭に、西谷、田中···日向まで···まったく···」
菅「旭まで混ざって何を騒いでんだか」
呆れた顔をしながらも菅原先輩が笑い、そしてお決まりのカミナリが落ちた。
澤「お前ら、うるさーーーい!!!」