第29章 ネコと呼ばれる人達
~日向side~
澤「よーっし、じゃあ移動するぞ!」
帰り支度を終えたキャプテンが、オレたちに声をかける。
今日から泊まり掛けの合宿!
朝からずっとソワソワして、楽しみにしてた合宿!
澤「ここが今日から数日間泊まる合宿所だ」
おおっ?!ここが合宿所か!!
澤「みんなそれぞれ荷物を片付けたら、清水達が食事を用意してくれてるから、って!日向?!どこ行くんだ?!」
ドキドキワクワクの初合宿!
キャプテンの説明もそのままに、オレは勢いよく中へ飛び込みアチコチを探索する。
階段をかけ上り、思いっきり扉を開ける。
うぉっ、部屋デカい!!
ここでみんな一緒に寝るのか!
上がって来た階段を駆け下り、近くのドアを開けてみる。
おおっ、風呂もデカい!!
スゲー!合宿所スゲー!みんなで纏めて風呂は入れそうだ!
ここはなんだ?!
トイレ広···くはないな、普通か。
朝とか順番待ちでヤバそうだな。
影「お前、ちょっと落ち着け」
「だって合宿とか初めてだし!」
月「一日中むさ苦しい連中と顔突き合わせて何が楽しいのか」
そんなこと言われても、楽しみなのは楽しみなんだ!
呆れた月島がため息を思いっきり吐きながら、ウンザリとした顔まで向けてくる。
「月島は合宿、楽しみじゃないのか?」
月「は?楽しみなわけないデショ?右も左もむさ苦しい連中で、オマケに朝から晩まで練習、練習、練習。そんな毎日が楽しみなのは、日向と王様くらいだろ」
影「月島てめぇ、その呼び方ヤメロ」
月「ポチは普通に呼んでるのに、なんで僕が呼んだら怒るんだよ?理解不能」
や、やべぇ···
楽しい合宿初日から影山と月島が荒れてる?!
山「ツッキー?!ほ、ほら、えっと!ご飯!ご飯とか楽しみじゃん?!ね?!」
なんか慌てて山口が間に入るけど、あんまり状況は変わんないな。
月「はぁ···しばらくこんな男だらけの中でむさ苦しい空気を吸うとか、有り得ないんだけど」
『ちょっと日向君、なんの騒ぎ?』
ギャアギャアとする廊下に、食堂からひょっこりと城戸さんが顔を出す。
「影山と月島が···空気がマズイって」
影「俺は言ってねぇ!」
月「マズイんじゃくて、むさ苦しいって言ったんだケド?」
『むさ苦しいって、普段のメンバーと同じなのに?』
···城戸さん、爆弾追加しないで。