第29章 ネコと呼ばれる人達
放課後、いよいよ合宿開始となる練習が始まった。
繋「揃ってんなぁ?!4日後には音駒と練習試合、それが終わったらすぐにインハイ予選がやって来る···時間がない。でもお前らは穴だらけだ。そんなお前らがやるべき事は、ひとつ。練習、練習···練習だ。ゲロ吐いてでもボールは拾え!!」
繋心···真剣な顔して、なんて言うことを。
日「おーーっす!」
アハハ···日向君は既に1回吐いてるんじゃ?
周りにいるみんなも、苦笑を見せてるし。
繋「さっそく練習開始だ!」
「「 シャァッッッス! 」」
さてと、私も清水先輩といろいろ準備始めないと。
今日から合宿終わるまでは、いつもの仕事に上乗せして食事作りとか、洗濯物だって何回もあるからね。
まずは···ドリンク作っちゃおう。
清水先輩は繋心のお手伝いを頼まれたから、私はカゴにスクイズボトルを放り込み、水道場でドリンクを作る。
月島君のも同時に用意して、みんなと同じカゴに入れて体育館へと運ぶ···のいいんだけど。
何気に重いんだよね、みんな分を1人でとか···
繋「ラスト1本に何本かかってんだ!集中しろっ!!」
突然の繋心の声に、思わずビクリとする。
日向君、レシーブ苦手だからなぁ。
そう思ってコッソリ振り返ると···あれ、山口君?
山「もう1本!!」
が、頑張れ!あと1本!
思わず握った手に力が入ってしまう。
清「5本成功、交代です」
繋「次!!」
澤「お願いします!」
澤村先輩はレシーブ得意だから、心配いらないよね。
私はヘロヘロになっている山口君の方へ向かった。
『山口君、お疲れ様。やっぱり、繋心いると違う?』
山「まぁ···」
あれ、あんまり元気がない感じ?
山口君に気合を入れて貰うには···あ!
おもむろに手を伸ばし、山口の顔を両手で挟む。
『山口君、厳しい練習が終わったらさ、美味しいご飯が待ってるよ!』
お昼休みの時に、山口君が自分で言ってたしね!
『炊きたてご飯が湯気を上げて···待ってる!』
山「そ、そうだ、よね!アハハ···」
そう言いながら、山口君が目を泳がせた。
『だからさ、練習の時は元気よく気合い入れて頑張ってね?』
山「わ、わかった!頑張るから、その···手、離してくれると···」
『あ、ごめん!ムニュってし過ぎた?!』