第29章 ネコと呼ばれる人達
繋「とりあえずこの記録を参考に、明日からバシバシ練習するっきゃねぇな。付け焼き刃かも知れねぇが、やらないよりやった方がいい」
慧「繋心、コーチみてぇだな」
繋「コーチだってーの!···今だけな」
そっか···
音駒との練習試合が終わるまでの、期間限定のコーチなんだよね、繋心は。
なんか、ちょっと前の私みたいな条件だな、なんて思ったり。
もし、音駒との練習試合が終わっても繋心がずっとコーチをやってくれたら···
指導者がいるチームは、伸びるんだろうけど。
どうなんだろう。
全ては、合宿での練習の成果と、練習試合の結果次第って感じなのかな?
桜「紡?急に暗い顔してるけど、どうかした?」
『ん?あぁ、えっとね···お腹空いたなぁ···なんて···』
慧「お前、全然動いてないのに腹減るとか···色気より食い気か?」
『うるさいよ!今のこの状態に色気が必要なトコなかったでしょ!』
慧「あ~そっか。そうだよな?元々そんなものは持ち合わせてねぇしな?」
なっ!!
言い返せない自分にモヤッとして、もう知らない!とひと叫びしてから片付けのお手伝いを始める。
その間も慧太にぃは何かとうるさくて···ホントにうるさくて!
桜「慧太!そんなに元気ならお前も手伝いしとけ!」
桜太にぃに怒られて、みんなと一緒に慧太にぃも片付けをさせられていた。
月「ポチ、合宿の間も同じの作って」
月島君、わがまますぎる。
日「城戸さん!合宿の時ってお菓子持ってきていい?!」
日向君、遠足じゃないんだよ?
影「城戸、お前は家近いけど泊まり込みすんのか?」
『え、あ、まぁ···多分』
影山、それいま聞くこと?!
山「城戸さーん!合宿中の食器とか、どうすればいいの?」
···。
『もう!お菓子も食器も大地さんに各自で確認して!』
澤「あはは···紡はなんだかご機嫌斜めだな」
慧「腹減りで機嫌悪いんだろ、しょうもねぇ」
『違うってば!もぅ!』
縁「はい、城戸さん?あ~ん」
『あ~ん?···んん、甘い···』
縁「こういう時には、チョコ!でしょ?」
『そうですけど···』
縁「機嫌直ったかな?」
西「さすが力、手なずけんの上手いな」
縁「西谷、言い方な?」
ひと騒ぎの後に、私が食いしん坊だと思われてしまう1日の終わりだった···