第29章 ネコと呼ばれる人達
ヤレヤレとこぼす慧太にぃと笑いながら、リビングへと向かうと、キッチンには後ろ姿が···2つ?
『おはよう···って、スガさん?!』
桜「おはよう、紡。菅原君がね、朝ご飯の手伝いをしてくれてるんだよ」
菅「おはよ!オレも桜太さんを見習って、イイ男を目指そうと思ってさ!」
菅原先輩のイイ男の定義っていうのは、料理男子の事なんだろうか···
『スガさん···料理男子を目指す前に、カラーコート目指しましょう···』
菅「あはは、確かに」
朝から爽やかに笑顔を振りまきながら、菅原先輩はお味噌をといている。
桜「意外と手際が良くて助かってるよ。慧太より頼りになるかもね?」
食器を出しながら桜太にぃが言えば···
慧「なにィ!菅原···実はオレのポジション狙ってるのか?」
···と、慧太にぃが構い出す。
っていうより、女の私の立場は?!
複雑だ···と思いながら、何か手伝おうとキッチンへ入れば、桜太にぃから今日は大丈夫だよと言われてしまう。
慧「紡、お前はお役御免だとよ?」
『それは慧太にぃもじゃん!』
ニヤリとする慧太にぃにツッコミを入れて、手持ち無沙汰のままテーブルについた。
少し待つと菅原先輩を含めた全員が揃い、みんなで朝食を食べ始める。
『そう言えばスガさん?昨夜はちゃんと眠れました?』
菅「えっ?あ、あぁ、まぁ」
なんで曖昧なんだろうと思ったけど、口を付けたお味噌汁の香りを堪能して、そのまま流した。
菅「それより紡ちゃんの家ってさ、朝ご飯が···ちゃんとご飯なんだね」
『はぃ?』
菅「変な意味じゃなくてさ、桜太さんがご飯の支度をしてるのを見て凄いなぁって。朝からちゃんと和食とか」
それを聞いて桜太にぃがフフッと笑う。
桜「運動してるなら、ご飯の方がいいでしょ?バランスよく野菜も食べれるし」
『慧太にぃの時はパン食が多いけど?』
慧「うるせぇな、ちゃんとバランスよくおかず付けてんだろ。フルーツとかも」
二人とも、一人暮らしとかした事ないのに料理に関してはスペック高いのは、お母さん達がいつも不在が多かったからなんだろうと勝手に納得する。
菅「それに、オレの弁当まで作って貰って···何か感動ですよ。今日は購買で···とか思ってたけど、朝起きた時にはお弁当が二人分用意されてて、今から待ち遠しいです」
