第16章 能力を知りました。

セリシアside


「切れなかった・・・ではなくて、切っちゃいけない、ですか？？」

「うん。巫女だからかもしれないし、違うかもしれないけど・・・。お母さんにそう言われたことがあるんだよね。」

「へえ・・・。」

「まあ、前髪は切ってるんだけど。」

「・・・いいんですか？」

「まあ、もう切っちゃったし。それでもまあ、後ろを切るのはためらったけど。それに邪魔だけどもともとロングの方が好きだから。」

なんか矛盾してる答えを出した気もするけど、まあいいか。

「まあ確かに、セリシアさんロング似合いますしね。」

・・・。
ものすごいあっさりほめてくれたというか、自然だったというか。
嬉しいには嬉しいけど、簡単にそれ言う？

「・・・何か変なこと言いました？」

「別に・・・。まあ、そんな感じですよ。ただまあ、なんか髪切ると魔力が自分含めて周りも暴走するとか言われた気はしますけど。暴走なんてしたことないし。」

「暴走・・・ですか・・・。」

理論はわからないしなんでだったかは忘れたし。
まあ特に気にしてないのだけれど。

「・・・それに何より、ちょっと恥ずかしいんだよねー・・・。」

「恥ずかしい、ですか？」

「うん。旅して男装してたら、髪を人目にさらすことなんてなかったし。なんか、恥ずかしくなっちゃったんだよねえ・・・。」