【マギ】 ジャーファル、あなたのために。~亡国の姫~
第16章 能力を知りました。
セリシアside
「そういえば、前々から気になってたこと、聞いてもいいですか?」
「え?どうぞ・・・。」
また少し沈黙があったのだが、ジャーファルさんはすぐに口を開いてくれた。
「セリシアさんは・・・何で髪を帽子の中に入れてるんですか?」
髪のことを言われるとは思わなかった。
いや、別に聞かれて困る質問なんかではないけども。
「ああ、これ?…だって、邪魔なんだもん。」
「…邪魔?」
「うん。・・・あれ、ジャーファルさんは見たことあったよね、髪を下したとこ。」
「ええ、その時もここで。」
「ほら、なかなか長さあるでしょ?」
「ええ、確かにありましたね・・・。」
「だからさ、剣技やってると邪魔だったし、旅の時も女だと不便なことが何かとあったから、帽子の中に髪を入れてるんだ。旅の時は男装してたし。」
なつかしい思い出の一つだな、今では。
女だとね、盗賊とか奴隷とかと何かと面倒だったから、男装してたんだよね。
もっともシンドリアに来る前に男装はやめたんだけど。
「・・・切ればいいんじゃないんです?」
「いや・・・。切っちゃだめだったから。」