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【マギ】 ジャーファル、あなたのために。~亡国の姫~

第16章 能力を知りました。


ジャーファルside


本当に、ここでもう一度会えるとは思わなかった。
それも、意図せずに会えることに。
それはまあ、確かに会いたいな、と少し期待はしてみた。
無理な話だと分かっていたのだけれど。
けど、あえた。
それがとてもうれしくて、つい口が滑った。

「何に?」

うっかり口を滑らしてしまったことに気付いた。
すぐに否定しても良かったが、別の考えが浮かんだ。

「・・・あなたに会えることに・・・好きですから・・・。」

からかうつもりで言ってみた。
もちろん事実ではあるのだが。
もしも、そんなことを言ったら、セリシアさんはどんな反応をするのだろう。
好き、という気持ちが届けばいいのに。
そんなことを思いながら聞いてみる。

「なっ・・・!」

驚いて耳が赤くなる。
自分でも恥ずかしいことをしたと思いなおして言い直す。

「冗談ですよ、冗談。」

「~~~~!!」

恥ずかしいのか、顔を一度そらす。
かわいいな、やっぱ。
それにしても、自分のヘタレが。
答えが怖いから、と何逃げてるんだか・・・。
すると、セリシアさんはちょっと間をおいてこっちを見る。
恥ずかしそうに、少し下を向いたまま、上目づかいで言う。

「・・・本気に、なるよ?」

!!!
破壊力がありすぎる。
かわいすぎる。
抱きしめてあげたいとかなり思う。
もちろんしないですけど。
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