【マギ】 ジャーファル、あなたのために。~亡国の姫~
第16章 能力を知りました。
セリシアside
はっとした。
「・・・??」
いつの間にか寝てたんだ。
それにしても思うこと・・・。
なんか、やたら長い夢だったような…。
『お目覚めだね、セリシア殿?』
あれ、と思って声の方向を見る。
「シロナ・・・。」
私が見たシロナは、どこか疲れたように見えた。
「何で、ここに?」
『呼ばれたんだ、我ら妖精の慕う偉大なる巫女姫に。』
「巫女姫って・・・あの人・・・?」
『姿を、みたの?』
「ううん、見てない。ただ、声が聞こえた。長い夢に出てきたんだ。姿は見えなかったし、語るだけだったけど。」
『そう・・・。』
「ねえ、シロナ。あんたはあの人、知ってるの?」
『うん、まあ・・・。』
「教えて。あの人は、どういう人なの。意味深なことを言ってた。私には理解できないことが多かった気もするけれど・・・。」
『そう・・・。ごめん、我もセリシアに聞きたいことはあるんだ、けど・・・。ちょっと、眠い。ちから、使いすぎた、かも・・・。』
シロナがこんなに疲れてるところを初めてみた。
「あ、ごめん・・・。じゃあ、また、起きたら聞く。ね、その時聞いてよ。お休み。」
するとふっとシロナは消えた。
人形のような姿は、光を一瞬まとって消えた。