【マギ】 ジャーファル、あなたのために。~亡国の姫~
第16章 能力を知りました。
セリシアside
―――――邪魔する力は、強いものではない。ただの思念体である・・・。巫女の力が一部でもある今、はねのけられないものではない・・・―――――
だから、邪魔する力って??
何を邪魔してるの。
―――――今のままじゃ、血に宿る記憶の断片を、少しも見せられるものではない…。知りたいのなら、封印を解きなさい―――――
待って。
知りたい。
知りたいけど、封印の解き方なんて知らない。
そもそもどういう封印なのかしらない。
―――――力の本来あるべき姿は、誰も知らない。だからあなたが自分で自分の力のあるべき姿を作りなさい。―――――
力のあるべき姿?
―――――あなたの持つ偉大な巫女の力は、歴代の巫女の中でも最大だろう…。それでも、制御は一緒・・・。―――――
制御?
巫女の力を制御できるの?
―――――それは言葉で教えられるものではない。知識でもない。だから・・・感覚で教えるわ・・・。―――――
感覚?
―――――難しくなどないし、今までと変わらないけれど・・・。―――――
なおさら嬉しい。
―――――さあ、これで今日はお別れよ。もしかしたら一生の、かもね。私は会うようなものではないから―――――
その声は少しさみしそうだった。
―――――あなたには、偉大な、最大な力を与えられている。けれど、運命も今までの巫女のもっともつらい運命でしょう。そして、あなたを支える人も・・・多いはずよ・・・。―――――