【マギ】 ジャーファル、あなたのために。~亡国の姫~
第16章 能力を知りました。
セリシアside
―――――そろそろ、終わらせた方がいいわね―――――
終わらせる?
何が?
―――――・・・どうして巫女について無知なままにされたのかしら。私にはそれがわからない―――――
それは私もそう思う。
巫女の力について何も知らされてないのだもの。
―――――あなたの親の不幸にしても…。なぜなのかしら。―――――
親の不幸・・・。
死別のことだよね、それ・・・。
―――――私があなたに会うのを邪魔する力がある・・・。今は何とかはねのけてはいるけれど、それもあの者の力があるから・・・。―――――
邪魔する力?
それにあの力って??
―――――あの者ははるか遠い昔から忠実に慕ってくれてる…。正直今も慕ってくれてるとは…知らなかった―――――
だから、誰のことなの。
―――――私があなたに会えるようになったのは封印が一部解けたから。語れるのは今もあの者が私に力を与えてくれたから。その力は無限ではないから…そろそろ終わらせた方がいい・・・。―――――
あの者の力とは、そんなにすごいものなの?
―――――私の忠実なる妖精は、今はもうあの者だけなのね、きっと・・・。それでも、いいわ。いないより、ずっと―――――
妖精。
シロナのことだ。
もしかしてあの者って、シロナのこと・・・??