【マギ】 ジャーファル、あなたのために。~亡国の姫~
第16章 能力を知りました。
セリシアside
ガチャ…。
「失礼しまーす・・・。」
恐るおそる部屋に入る。
もう夜も遅い時間だ。
こんな時間に入るのは迷惑かなー、と少し考えながら入る。
まあだから、普通に考えたらこんな時間に来るのはおかしいんだけど。
「・・・。」
できるだけ音をたてないようにしてそばに行く。
部屋は月の光が入ってくるだけで、暗い状態。
部屋に明かりはつけられないから、手に持ってるランタンの光だけが頼りとなる。
「寝てる、ね・・・。」
ジャーファルさんの吐息を確認する。
どうやらちゃんと寝てるみたい。
良かったよかった。
でもそのまま部屋を出るのはなんか名残惜しくて。
机にランタンをおいてもう一度ジャーファルさんのそばに行く。
少し遠いから、ランタンの光も淡いもの。
ちょっと見にくいけど、みれなくはない。
それにしても、とばかりに顔を見つめてしまう。
銀色の月の髪、整った顔立ち、少し童顔な顔。
「あー、なんかかわいいかも…。」
多分ちょっと女顔なんだよね。
それを本人に言えば絶対に怒られるから、言わないけど。