第3章 CHAPTER.1
ナガミミ『さて・・・。
それじゃ、そこから街に入るか。
まずは戦闘訓練と資材集めを兼ねて、ドラゴンを3匹ほど狩ってみな。
ついでに、情報集めもだ』
シオン「ドラゴン3匹の討伐と、情報収集・・・解った」
ナガミミ『マァ、ヤバいと思ったらケツまくってサッサと逃げろ。
東京には、ここからいつでも帰れる。場所さえありゃ中継点も確保してやるよ。
それから・・・・・・ああ、コイツを忘れてたぜ。
作戦開始の前にテメエに渡しとくモンがある』
渡しておく物・・・?と思っていれば、『マニュアルを転送するから、しっかり確認しとけ』と言ったすぐ後にフィールドスキルの『応急手当・小』が通信機に送られてきた。
『フィールドスキル』について。
通信機のYボタンを押すことで、フィールドスキルを使用できます。『応急手当・小』のようにパーティ共有の回数制限で使用するものや、個人がMANA消費するスキルもあります。
ナガミミ『フィールドスキルは使い切ったらセーブポイントでも回復しねえから気をつけろよ。
当面は医療フロアで回復するんだな。
ホリィには伝えておく。
使えるモンは、せいぜい活用しろよ。1秒でも寿命を延ばしたけりゃな。
意地張っても寿命が短くかるだけだぜ』
『フヒヒヒ・・・』といつもの笑い声が聞こえて、通信は終わった。
フィールドスキルか・・・有効活用していかないとね。
さて、まずは情報収集から・・・かな。
シオン「取り敢えず進もっか。
その内ドラゴンとかマモノとか出てくるだろうし。ルシェ族の人達からも、何か聞けるかもしれないし」
セツナ「了解」
リョウ「オッケー」
そうして私達は設置されてあるゲートポイントから歩き始めた。
少し進むと、ルシェ族特有の耳の形をした人達が見えた。
シオン「あの、すいません」
不思議な耳の男「・・・・・・悪いことは言わん。
さっさとここから立ち去るがよい。皆、気が立っておる。
余所者など・・・格好のはけ口になるぞ」
不思議な耳の女「アンタ・・・・・・どこから来たんだい?
せっかく来たばかりで悪いけど、この国はもう終わりだよ。用がないならケガする前にお帰り」
・・・ふむ、まあ私達は余所者だしね。
でもなんだろ、この諦めムードは。