第3章 CHAPTER.1
マップを確認すると、ここは高台らしい。
その高台から進んで大通り公園へと抜ける。
・・・わあ。
街のあちこちに青白く光ってる木とか草花が生えてる。それに街の用水路には綺麗な水が流れてる。
さすがは海の国。
これで、チラホラ見えるフロワロが無かったら最高なんだけどなあ。
大通り公園でも、見かけたルシェ族に声をかけてみた。
衛兵「悪いが余所者と話すつもりはない。
道案内なら他の奴を当たるんだな」
衛兵「見ない顔だな。
どこから来たか知らないが、物好きも居たもんだ。あの竜のせいで皆、ギスギスしてるんだ。
変な騒ぎだけは起こすなよ」
せわしない商人「何してるかって・・・商売道具の片付けですよ。商売も人生も終わり・・・ですが、立つ鳥跡を濁さずってね」
穏やかな女「・・・死ぬのは怖いです。
ですが、自ら選ぶ死ならば殺されるよりは・・・と思います。
我々には、もうそれしか・・・・・・」
一通り歩いてみて、確信した。
・・・ここのルシェ族は、みんな何かしら生きる事に諦めてる。
シオン「うーん・・・これと言ってめぼしい情報は、今のところ無し・・・か」
セツナ「みんな、二アラのせいで情緒が不安定なようにも見える・・・」
リョウ「揃いも揃ってムスッとしてて、なーんか辛気臭いねー」
シオン「・・・ん?
大通りの向こうに衛兵が居る・・・」
どうしたものかと思っていると、衛兵が2人立っているのが見えた。
聞くだけ聞いてみようと思って、私達は近づいた。
険しい衛兵隊長「そこの者、止まれい!!
その容貌・・・我らの同胞ではないな。
余所者が、なぜこの閉ざされた地に足を踏み入れる?」
シオン「えーと、二アラを狩りに」
険しい衛兵隊長「二アラを狩りに?
はっはっは!理解不能だな!
偉大なる先王ユトレロに殉じ、我ら臣民は誇り高く最期の時を待っている。余所者は疾くこの地を去るがよい。
・・・いや、その不遜な態度は看過できんな。
フカのエサにしてくれる!」
そう言うやいなや、衛兵隊長達は襲いかかってきた。
・・・少しくらい、人の話を聞いてくれてもいいんじゃないかなあ。