第2章 CHAPTER.0
シオン「・・・私はこのままアイツとドンパチやるつもりだけど、2人とも・・・このまま私と一緒に向かう感じでいいの?」
帝竜に向かう途中に、いつの間にか現れていたキュアポイントで回復しながら私は2人に聞いてみた。
なんだか成り行きみたいに着いて来てくれてるけど・・・実際のところ2人にあの帝竜と戦う意志とかがあるのかを、まだ聞いていない。
リョウ「うん、オレはそのつもりだよ?
・・・って言っても、さっきのホワイトドラゴンをオレのこの目で見て実際に対峙して・・・戦ったからこそって言うのかな。
これはさっきみたいに体験するゲームじゃなくて、現実で起きてる・・・紛れもない今起こってる事なんだ」
シオン「リョウ・・・」
リョウ「難しい事とかはまだよく解ってないけど、このままなんにもしなかったらこの世界・・・終わっちゃうんだよね?
だったらなんにもしない訳には、いかないよね〜!」
セツナ「・・・ああ。その通りだな。
あんなドラゴンがこの先、力を持たない非力な人間を蹂躙(じゅうりん)する未来があると言うのなら・・・。
俺は、1人でも多くの人間を救いたい。
・・・ドラゴンと戦う力を持つと言うならば、俺は・・・拳を振るおう」
・・・2人の意志は、決まっているようだ。
成り行きなんかじゃなくて、ちゃんと自分の意志で私と戦ってくれるんだ。
その事が嬉しくて、私は自分でも解るくらいにニッと笑った。
シオン「・・・私は、私が生まれたこの世界を失いたくない。
家族が居る。友達のミオ、リョウ・・・セツナ。それに知り合ったばっかだけどナガミミとジュリエッタ、アリー。
・・・せっかくみんなに出会えたのに、それを壊されてたまるか」
セツナ「シオン・・・お前・・・・・・」
シオン「竜を狩る者だか知らないけど、戦えるなら戦ってやる。
帝竜だか真竜だか知らないけど、倒せるなら倒してやる。
・・・今を生きてるみんなを、死なせない。
だから・・・2人とも、私と戦って」
叫ぶ訳でもなく、私は2人の目を見て言った。
すると2人はお互いに私の右肩と左肩を軽くぽんっと小突いた。
・・・これは・・・オッケーって事みたい。