第2章 CHAPTER.0
ミオ「うそ・・・。
あんなに大きな・・・ドラゴンを・・・・・・倒した・・・の?」
シオン「怪我、してない?」
ミオ「うん、わたしは・・・。
でも、シオン──」
追われる青年「う、あ、あああああ・・・ッ!」
ミオの無事を確認していると、悲鳴が聞こえてきた。
どうしたんだろう、とその方向に振り向いてみれば広場に居る人達が揃って空を見上げていた。
ミオ「あれは・・・?」
何かが、こちらへ向かって飛んでくる。
それはさっきのホワイトドラゴンよりも一回りも大きなドラゴンだった。
遠くから見ているのに、解る。
・・・あれは、強い。
リョウ「ワーオ・・・」
ミオ「あれも・・・ドラ・・・ゴン・・・?」
ナガミミ『オイ、シオン!
聞こえるか?』
シオン「・・・うん、聞こえてる」
ナガミミ『いま来たヤツは帝竜クラスだ!
帝竜の強さは、さっきの竜の比じゃねえ。
今のテメエじゃ瞬殺されるぞ!
コムスメ連れてさっさと戻ってこい!』
シオン「・・・・・・瞬殺、ね」
ミオ「どうしたの・・・?」
シオン「ん?
・・・ちょっと、行って来る」
ミオ「そんな、信じられない・・・。
あんなのと・・・戦う・・・つもりなの?」
セツナ「・・・付き合うぞ。シオン」
リョウ「オレも。このまま死なせたくないしー」
ミオ「ダメだよ、そんなことしたら!
ぜったい死んじゃうよ!」
悲痛な感情を乗せて私に叫ぶミオ。
リョウとセツナには本当に感謝だ。
むちゃくちゃな私の行動に、ついてきてくれるなんて。
・・・大丈夫、死なないよ。
それに・・・・・・。
シオン「・・・全員、助ける!」
ミオ「・・・そんな・・・。
友だちでもない人を、どうして──」
今にも泣き出しそうな声で「シオン──!」と私の名前を呼ぶミオ。
泣かないでよ。
必ず、守ってみせるからさ。
ナガミミ『オイ、待てって!!
死ぬ気かコラ!』
ナガミミの呼び止める声を聞き流しながら、私達は帝竜の元へと駆け出した。
──会議室
ジュリエッタ「これが・・・狩る者の本能?
それとも、ただの無謀なおバカ?」
アリー「ここで死ぬなら、それまでだよ。
だけど、きっとあのコは──」