第2章 CHAPTER.0
シオン「ありがとう・・・」
ナガミミ「それからコイツもだ。
腕に装着して起動してみろ」
メディスとかマナ水とかじゃない、時計のようなアイテムを手渡される。
それを受け取って右腕に装着して、言われた通りに起動してみた。
ヴゥン・・・
するとノーデンスウォッチからナガミミの姿がホログラムみたいに映し出された。
・・・おー。さすがはノーデンス。
ナガミミ『オイ、オレ様が見えるか?
コイツはノーデンスウォッチ。
どこにいてもオレ様と会話できる、夢の通信機だ。
これでテメエをサポートしてやる。わかったら、死んでも着けてろ。便利なんだからダセェとかいうなよ?』
シオン「(・・・ダサイって言うとこだった)」
ナガミミ「いいか、常に準備は怠るな。
ようやく見つけた狩る者に、こんなところで死なれちゃ困る。
助けるってのがテメエの意志なら、せいぜいうまくやるんだな」
そう言ってナガミミは「フヒヒヒ・・・」と笑った。
サポートしてくれる、と言う事はナガミミが私達のチームのナビをしてくれると言う事なのだろう。
・・・さて、そろそろ外に行こう。
ミオを目の前で失いたくなんて、ない。
ガチャッ
シオン「・・・フロワロ・・・!?」
セツナ「これは・・・殺気か。それに異様な空気だ・・・」
リョウ「・・・っオイオイ・・・マジでヤバい感じだな。これ・・・」
ナガミミ「とうとうココにまで現れやがったか・・・・・・ドラゴンめ!」
周囲には、来る時は何も咲いていなかったはずのフロワロが至る所に咲いていた。
フロワロにも目がいくけど、それよりも目が言ったのは・・・・・・空を覆い尽くすほどに飛んでいる、翼を持った生き物の影。
・・・・・・ドラゴンだ。
正門前広場にも数匹降りているようで、未だに逃げ惑っている人達に襲いかかっている。
腹は赤く、翼や身体は白い。
その凶暴そうな口からは赤い炎を吐き出している。
・・・なに・・・これ・・・!
ミオは・・・ミオは、どこに・・・?
ミオ「ぜえ・・・ぜえ・・・」
ガッ
ミオ「ああっ・・・!」
広場の向こう・・・そこにミオの姿が見えた。
後ろにはドラゴン。
必死に逃げていたせいでつまづいて転んでしまったようだ。
私は足に力を入れて駆け出した。