第2章 CHAPTER.0
会議室の奥にある、円形のテーブルに備え付けられている椅子に私達は座った。
私達って言うか私とミオだけだけど。
リョウとセツナは立って聞くそうだ。
アリー「キミたちは、約80年前──2020年とその翌年に起こった竜災害(りゅうさいがい)を知ってる?」
ミオ「あの・・・聞いたことくらいは・・・」
セツナ「図書館の書物で、大まかな情報しか知らないが名前なら知っている」
アリー「そっかー。まーそうだよね☆」
ジュリエッタ「竜災害は、真竜(しんりゅう)と呼ばれる竜の襲来。
そして、それに伴う美しき葬送(そうそう)の毒花(どくか)フロワロの繁茂(はんも)で始まるの。
フロワロに包まれた星は真竜に喰われ、全ての生命と文明を失い無機と化す・・・。
この宇宙にはね、そんな真竜が7体・・・存在すると言われているわ」
・・・確かに、いつか読んだ本にはそんな感じで竜災害について書かれていた。
それが嘘か本当かは置いておいて、現に私達が居るこの地球に地球外生命体である竜が襲来したのは紛れもない事実だ。
ジュリエッタ「2020年とその翌年、この星は相次いで2体の真竜から襲撃を受け、世界中がフロワロに沈みかけた」
アリー「だけどね、竜を狩る者──ムラクモと呼ばれた異能力者たちの活躍で2回とも真竜を撃退したんだ☆」
ミオ「おじいちゃんに聞いたことがある・・・ムラクモ13班、竜を狩る者・・・」
リョウ「一昔前はかなり有名なヒーローみたいに扱われてたよね。
ま、オレが産まれてくる前のハナシだけど」
ジュリエッタ「それじゃ本題に入るわね。
その竜災害で得られた真竜の検体からは、竜の構造や生態・・・それはもう膨大なデータを解析できたの。
アタシたちはこの解析データの集合体をドラゴンクロニクル──そう、呼んでいるわ」
聞けば聞くほど、このノーデンス社がただのゲーム会社じゃないように聞こえてくる。
表の顔は、とか言ってたし・・・その真竜とやらに関連する事が裏の顔なんだろうか。
ジュリエッタ「アタシたちノーデンスの真の目的は、より多くの真竜検体を集めてドラゴンクロニクルを完全解明すること・・・」
完全解明、か・・・。
とんでもない裏の顔があったものだ。
するとミオが「でも・・・なんのためにそんなことを・・・?」とアリー達に問いかけた。
