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鍵の歯車【7竜】

第2章 CHAPTER.0


変なぬいぐるみ「決まりミミ!
これは未知の世界への扉を開く未曾有のチャンスミミ〜。
さあ、こちらへ!ついてくるミミ〜!」




そう言ってゴスロリ衣装を身に纏った身体を動かして振り返り、そのまま歩き始める変なぬいぐるみ。

・・・えっ、動くのって上半身だけじゃなかったの?


いきなり歩き出した変なぬいぐるみに呆気に取られていると、その変なぬいぐるみは「どうしたミミ〜?早くこっちに来るミミ!」と私達に呼びかける。


私はリョウとセツナに一旦視線を巡らせてから変なぬいぐるみに着いて行った。
その後ろを「あ・・・待ってシオン・・・!」と追いかけて来るミオ。




選ばれたい女「ハイスコアラーのスカウト・・・都市伝説だと思ってた・・・」

熟練の男「バ、バカな・・・!
なぜ、あんなのが俺を差し置いて・・・!」




ザワつく野次馬の声を聞きながら、私達は変なぬいぐるみの後を追った。




リョウ「ねーねーシオン、もしかしてオレらってセンバツに選ばれたのかな?
だったらテンション上がるんだけどな〜!」

シオン「さあ・・・そう言うのも全部本社とやらで聞けるんじゃない?て言うか近い」

セツナ「・・・リョウ。
お前は短時間だけでいいから大人しく落ち着いてくれ・・・」

ミオ「あ、あはは・・・」




そしてセブンスエンカウントからゲートを潜り、外に出てそんなやり取りをしながら歩いていると不意に変なぬいぐるみが足を止めた。




変なぬいぐるみ「ったく・・・こんな連中が手駒になるのかね・・・」




・・・・・は?

え、なに今の。
聞き間違いじゃないなら、今の声はこの変なぬいぐるみから発された。
その声はどうやら私だけに聞こえた訳じゃないらしく、ミオが「あの、ウサギ・・・さん?」と控えめに声をかけた。
すると今度は変なぬいぐるみが「チッ・・・」と舌打ちまでしてきた。




変なぬいぐるみ「ウサギさんじゃねえよ」

ミオ「・・・えっ?・・・・・・・・・えっ?」

リョウ「ウサギじゃないの?
えっ、耳が長い動物ってウサギだよね!?」




この場合、普通なリアクションを取っているのはミオだ。
・・・リョウ、驚く所はそこじゃない。
私とセツナは同時に溜め息をついた。
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