第2章 CHAPTER.0
スカイタワーの中に入れば、そこはどこか全体的に赤みがかかっていた。
その原因は十中八九、スカイタワーの外にも咲いていた私達の周りにも咲いている赤い花のせいだろう。
えーと、なんて言ったか・・・。
リョウ「すっごいリアルだよね、このフロワロ。
毒素あって、花が散る時に毒を撒き散らすんでしょ?」
セツナ「・・・こうして間近で見られるとはな。
本物のフロワロは普通の人間が触れれば瞬く間に散るらしいが、さすがゲームと言ったところか。ホログラムになっている」
シオン「あ、そうそうフロワロだったっけ。
この花の毒素のせいで後遺症残っちゃった人も居たとか言われてるしね・・・。
・・・さて、そろそろ進もっか」
リョウ「オッケー!」
セツナ「ああ」
近くに咲いていたフロワロを横目に、私達は進み始めた。
手元に表示されっ放しのミニマップを見れば、どうやら歩いたフィールドは自動的に表示されていくらしい。
・・・GPSも真っ青な正確さだ。
シオン「・・・・・・来てる、ね」
リョウ「マモノだよね!
うわあ・・・赤いゲージみたいなのがシオンの近くに見えるよ、さっきは青だったのに」
セツナ「・・・どうやら、リーダー登録されたメンバーの近くに表示されているこのゲージはマモノとのエンカウント度を示すレーダーらしいな」
シオン「・・・来るよ、構えてっ」
少し歩くと、私の視界の端に見えていたレーダーが一層赤くなった。
・・・バッ!
シオン「・・・ウサギ・・・いや、ネズミ・・・?」
ミオ「そのマモノは、ラビって言うみたいだよ。
そんなに強くないから噛みつき攻撃に気をつけながら戦って!」
リョウ「ふぅーん・・・、名前からしてウサギの遺伝子を継いだマモノみたいだね!」
シオン「・・・やらなきゃやられるだけ、だよね。
行くよ、2人とも」
ラビは2体。
明らかに私達を敵とみなしているらしく、殺気が向けられているのが肌に伝わってくる。
・・・セブンスエンカウント、思いっきり楽しんでやる。