第10章 壊れていく日常
英side
櫻の顔色が悪い理由。何かあったか?
俺と菜華がキスした所を見たとか。…はないだろうな。そしたらあの場にいた金田一が教えてくれるはず。
ガチャ
茜「着替えるから櫻の方見ててね〜。こっちを見たら英のお父さんにいうからー。」
英「へいへい。…なあ、茜。あの事さ、櫻に言ったか?」
茜「言ってないよ。言わないでって言ったの英じゃん。言うわけないでしょ?言ったところで櫻が壊れるだけよ。」
そうだよな。でも知ってる気がする。櫻は勘が鋭いから。人の表情を見極めるのに長けているから。
櫻「ぅぅ…」
英「さくら!?」
櫻「あれ?ここって…」
茜「私のうちよ。櫻のこと迎えに行ったら倒れてるんだもん。」
英「それで保健室まで行っておばさんに送ってもらって今に至るの。」
櫻「そっか。ごめん。今日東京に行かなきゃ…」
茜母「だーめよ。そんな具合の悪そうな人を東京に送るもんですか。今日はうちに泊まりなさい。はい。ご飯。」