第11章 珈琲色
今日は智が休みで、俺も翔くんも早かったから俺の家で久しぶりにご飯を作って食べることにしたんだよね。
そしたら智ったら嬉しがっちゃってさ…
張り切ってみじん切りしてたってわけ。
トントンの音を聞きながら、他の材料の下拵ができると炊飯ジャーに全部ぶちこんだ。
「んふ。美味しくなるねえ」
「ん。間違いないね」
二人で炊飯器を見てたら、翔くんがキッチンに入ってきた。
「よ。準備できた?炊き上がるまで風呂入ろ?」
「うん!」
翔くんがお風呂の準備をすっかりやってくれてて…
三人でお風呂に入った。
上がってくると、部屋にはピラフのいい匂いが漂ってた。
「やべ。腹減った…」
「すぐ準備するから…」
バスタオルで髪を拭いてる翔くんの、ぐーぐー鳴る腹を擦りながら智は満足気に微笑んでる。
「あにやってんの?」
「んふ。翔ちゃんのお腹の子にご挨拶」
「アホじゃね…」
「わっかんないよ?俺の子入ってるかもでしょ?」
「え…」
思わず翔くんの顔を見たら、すぐ目を逸らされた。
「まさか…翔くん…?」
「な、なんだよ!」
「え?そういうことなの?」
「うっ…うるせーっ!」
顔を真赤にして翔くんはリビングに逃げていった。
「智ぃ…」
「ん?なあに?まちゅじゅん」
「翔くんのバージン貰っちゃったの…?」
「うんっ!」
うわぁ…どこまであの人智に甘いんだよ…
俺ぜってぇ無理…
「俺のバージンはあげないからね?」
「えー?じゃあ今日からえっちしない」
「えっ…」
「翔ちゃんと毎日えっちしよー」
ひらりと俺の腕から離れて智は飛び出していった。
「…まじかよ…」
慌てて後を追いかけると、リビングで智は翔くんに抱きついてる。
ちらりと俺を見ると、余裕の微笑み。
ああ…もうわかったよ…
あんたには敵わない
「わかったよ…ね?智…だからそんなこと言わないで?」
「んふ…」
翔くんが居て、智が居て…そして俺。
このバランスは、崩したくない。
それが例え智の一時的な気まぐれだったとしても…
俺と翔くんはきっと一生、智から離れられない
君と君と僕の三角関係
これが、俺達の愛のカタチ。
END