• テキストサイズ

カラフルⅣ【気象系BL小説】

第7章 グレイ scene5





やっとのことでたどり着いたゲレンデロッジの前。
途中で天気が悪くなって、必死で降りてきた。

「ねえ、大野さんは?」

ニノが不安げな声を出した。

「翔ちゃんもいない…」

相葉さんもオロオロしてる。

「嘘だろ…?」

シルバーのウエアのポケットからスマホを取り出す。
グローブを外すと、通話してみる。

「あっ…もしもし!翔くん!?」
『あ…じゅ…』

電波が悪いのか、途切れ途切れにしか声が聞こえない。

「ねえ!大丈夫なの!?今、どこにいるの!?」
『山小屋…だか…大丈夫だか…』
「え?どこの山小屋に居るの!?」
『とにかく…だいじょ…だか…下手に騒ぐな…』

いきなり、通話が切れた。

「なんだって?」
「いや…とにかく大丈夫だから、大事にするなって…」
「ええっ…もしかして本格的に遭難してるんじゃないの!?」
「でも…騒ぐなって言ってるし…」

ニノが蒼白な顔を俺たちに向けた。
こんな顔、久しぶりに見た。

「いや、冗談じゃないですよ。もしも死んだらどうするんですか…」





「寒い…?智くん」
「ん…平気…」

棚においてあった毛布を拝借して、二人で包まった。
小屋の中は隙間風が寒くて…

置いてあったダルマストーブに灯油が入ってたから、持ってたタバコとライターでなんとか火をつけるといくらかマシにはなった。

だけどまだ寒かったから二人でずっと体をくっつけていた。

「こんなとこで遭難って…ほんと冗談じゃないよなあ…」

でも、さっき潤と電話が通じたからなんとかなるだろ。
そう呟いて、翔ちゃんは黙り込んだ。

「こんなひどい天気じゃ救助になんて出てこれないだろうしね…だから、頑張ろうね…?智くん」
「うん…」

身体の芯から冷えてるのを感じた。
ウエアを着てるのに、お尻の下から寒さが上がってくる。
ガタガタ震えるのを止めることが難しい。

「智くん…脱ごう」
「え…?」
「裸で抱き合ったほうが温まるから、ほら、早く」

強引にウエアを脱がされて、素っ裸で俺達は抱き合った。
ぎゅうっと翔ちゃんが身体を抱きしめると、肌が温かかった。

毛布の上から、脱いだウエアを被せる。
翔ちゃんの肌のぬくもりを閉じ込めて、温かい…

「どう…?大丈夫そう?」

ダルマストーブの窓からの淡いオレンジの光が、翔ちゃんの横顔を照らした。

/ 1000ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp