第7章 グレイ scene5
「ちょっ…おまえ、何してんだよ!」
「離してよっ…」
水しぶきが衣装に掛かるけど、構ってられなかった。
「落ち着けよ!潤…もうスタジオ入る時間だぞ!?」
「離してっ…離してっ…相葉さんっ」
ボロボロ泣きながら潤は床に崩れ落ちた。
「…立てよ…」
ジャケットを脱ぐと、潤の頭から被せた。
そのまま手を引いて廊下に出た。
前室に入ると、ニノを目で呼んだ。
「なに…どうしたの…?」
ニノは潤を見て言葉を飲んだ。
「わりい…ちょっとメイクさん呼んできてくんね?」
「わかった」
すぐにスタジオに駆けていった。
リーダーと翔ちゃんがこっちを見てたけど、とりあえず手で制して、前室の横にある倉庫に潤を入れた。
適当な箱馬の上に座らせると、入り口でニノを待った。
「相葉さん、どこ?」
暫くすると掛けてくる足音とニノの声が聞こえた。
「こっち。倉庫」
すぐに姿を見せたニノは後ろにいるメイクさんに頷いた。
メイクさんは俺を見ると、困惑した顔をした。
「すんません…潤のメイク、急いでやり直してもらっていい?」
「どうしたんですか…?」
「泣いちゃって…自分で顔、洗っちゃった」
「…わかりました」