第7章 グレイ scene5
鏡を見ながらペタペタ顔を撫でてる。
「日焼け止め塗っても塗ってもだめなんだもんよ…」
「…お魚釣ってる暇あったら、俺を釣ってよ…」
「ん?なんか言った?」
「別に…」
大野さんが釣りに行ってる間、放って置かれることもあって。
寂しいなと思う反面、大野さんには好きなことやってて欲しいし…
ストレスが溜まると釣りに行きたくなるみたいだから、禁止って言えない。
大野さんには、自由で居て欲しい。
でも…
本音はもっともっとそばに居てほしい…
「髭剃ってやるよ」
「えー…休みの日くらい好きにさせてよ」
「だめ」
「なんでえ!?」
「だって潤ヒゲ濃いんだもん。キスすると痛い」
「ぶう…」
しゅわっとシェービングクリームを手に出して、もうカミソリまで用意してある。
…こういう手回しはいいんだから…
「ほら、こっち向け」
「はあい…」
口の周りに泡をたっぷりと載せられて、大野さんがカミソリを持つ。
嬉しそうに俺の顎に手をかけるとちょっとだけ上を向かされた。
「動くなよ?」
身体にも泡がついたままだから、全身泡まみれ。
ショリショリと小さな音を立てて、大野さんは俺の顎にカミソリを滑らす。