第7章 グレイ scene5
鼻歌を歌いながら調理してると、キッチンの入り口に潤が歩いてきた。
ペタペタ音を鳴らしてる。
「おい…スリッパ履けよ。足冷えるだろ?」
「ん…なんか、熱くて…」
そう言ってる顔も真っ赤になってて。
「そっか…喉腫れてるし、ちょっとだけ冷たいもの飲む?」
「うん…」
急いでトマトジュースを用意して、グラスに注いだ。
リビングのソファに潤を座らせると、足にブランケットを掛けてからグラスを手渡した。
「さ、ちょっとずつ飲むんだぞ?」
「うん…」
こっくりと頷く潤は、子供みたいに素直で…
「ふふ…かわいいな…」
「やっ…かわいくなんかないもん…」
嫌がる潤も、かわいらしい。
ちびちびとトマトジュースを飲む潤の横に座って髪を梳いてると、気持ちよさそうな顔をする。
「もっと…」
テーブルにグラスを置くと、俺の胸に凭れかかってきた。
「ん…」
そっと肩を抱いて、潤の髪を撫でているとタイマーが鳴った。
「お、おじや煮えた。ちょっと待ってな」
潤に着ていたウールのカーディガンを着せて、キッチンへ戻った。
中華おじやは大成功。
中華だしの素に、ささみ、白髪葱だけの簡単メニュー。
でも栄養と愛情たっぷりなのさ。