第7章 グレイ scene5
「38度…」
「ええ…そんなある?」
体温計を見る俺を、潤はうるんだ目で見つめた。
「熱だねえ…でもインフルじゃなくって良かった」
「んー…雅紀にうつしたら大変だからよかった…」
さっき、病院に連れて行った時はこんなに熱出てなかったんだけど。
熱冷ましの頓服を貰っておいてよかった。
「起き上がれる?薬、飲もうか…」
あ、でもまだ晩飯食ってないな…
「ごめん、ちょっと待って」
「ん?」
起き上がりかけた潤をベッドにまた寝かせた。
「晩飯食ってないだろ?なんか作るから」
「わかった…」
そっと額に手を当てると、やっぱり熱い。
「くふ…雅紀のほうが熱いじゃん…」
「そう?俺、体温高いからな」
「熱ない?」
「ないない」
心配そうに見上げる目に手のひらを当てた。
「寝てな?起こすから」
「うん…」
熱でふにゃふにゃしてる潤は、天使みたいに可愛い。
こんな潤が見れるなんて、彼氏ってなんてオトクなんだ。
くるんとしてるまつげを指で撫でると、寝室を出た。
「たーまごのお…中華おじや…」
潤の家は”卵作ってる”から、家にはふんだんに卵がある。
実家のお母さんがどばっと送ってくれるからだ。
そして俺の実家は中華屋。
食材に困ることはない。
「おっじやおっじや~♪」