第7章 グレイ scene5
雅紀は4月期のドラマの主演が決まってるから、これから二人で休みはなかなかない。
だから今日の休みを雅紀は楽しみにしてたのだ。
「千葉いく?」
「おお…そうだな。久しぶりに海でも行く?」
「いいねえ!」
にこにこ本当に楽しそうに雅紀が笑う。
その笑顔はキラキラして眩しい。
「じゃあ鴨川の方いく?」
「どこでもいいよ。海が見られれば」
「はあい!」
朝食を食べ終わると、早速支度にかかる。
バタバタと準備を終えると、二人で玄関に立つ。
「よおし!翔ちゃん!」
「ん?」
「今日もだいすきっ」
がばっと抱きつかれて、思わず後ろによろける。
「おわっ…」
「うわっ」
ガツンと頭を打った。
目から火花が飛び出した。
と思ったら、俺は気を失ってしまったらしい。
「あた~…たたた…」
後ろ頭を擦りながら起き上がると、そこは病室だった。
「翔ちゃん!」
傍らに座ってた雅紀ががばっと起き上がって俺の手を掴んだ。
「あてー…あれ。あれ?」
もう外は暗い。
「ああ…よかったぁ…」
「え…?つか、なにこれ」
「もう、翔ちゃん頭打って気を失ったんだよお!」
「え…俺が?」
「そうだよお!もう、俺が死ぬかと思った…」