第7章 グレイ scene5
「ごめん…本当にごめん…」
もう、姿を見てはいけないと思った。
大野さんに背を向けると、マットレスの際に腰掛けてひたすら謝り続けた。
「どうか…してた…本当に、ごめん…」
許されないと思った。
一生、許してもらえないと思った。
その瞳に自分を…映してもらうことはもうないと思った。
「なんで…?」
「ごめん…」
がさっと布団が剥がされる音がした。
「大野さ…」
「ティッシュ」
「え?」
「ティッシュ…ちょうだい…出てきた…」
消えそうな声だった。
振り返ると、お尻を押さえて大野さんが真っ赤な顔をしてる。
慌ててティッシュを取って渡そうとしたけど、大野さんは受け取らない。
背中を向けたまま、マットレスに寝転がってしまった。
「拭いて」
有無を言わせない声。
「でも…」
ちゃんと見られない。
自分のやったことが、目の前に曝け出されていた。
「早く」
諦めて目を閉じた。
大野さんの足の間に入ると、手を伸ばした。
ティッシュ越しでもわかる、ぬるりとした感触。
俺の…出したもの。
この人の中に…出したんだ…
ぎゅっと指を押し付けると、足が閉じられた。
「ん…う…」
小さな声に、また身体が震えるのを止められなかった。